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Garimpeiro Records - HONE YOUR SENSE

Fixed Sound Tracker「AVENGERS」リリースインタビュー

 

 

2013年4月に世に出た「Episode of Rebirth E.P.」からGarimpeiroに加わった茨城出身のFixed Sound Tracker。

 

ARTEMA以降、レーベルカラーとしてメタルコアやハードコア系のバンドが増えていたタイミングに、ひさしぶりのスクリーモ・ポストハードコア系アーティストとしてレーベルに加わった彼らは、現在の若手シーンを盛り上げるべく切磋琢磨しているバンドの一つだ。地元である茨城への強い拘り、そして虎視眈々と上を目指す貪欲な姿勢を曝け出しながら、ネクストレベルを目指す気鋭の若手と言える。

 

活動初期からツインヴォーカル体制という個性を全面に押し出してきた彼らも、今回のミニアルバムでは前作までの流れから脱却を図るべく、かなり大胆かつ意欲的に製作されたミニアルバム「AVENGERS」。海外の最先端ポストハードコアシーンからの影響を取り入れた楽曲に、「和」を感じさせるメロディラインとヴォーカルスタイルがあわさった、彼らならではの一種独特な世界観を感じさせる内容で、リリース以降各方面から好意的なフィードバックが戻ってきている。

 

レーベルの先輩に当たるARTEMAを迎え開催された、地元でのレコ発を終了させたばかりの彼らに話を聞いてみた。今回の作品に対する熱い思い、作品コンセプト等、踏み込んで答えてくれているので、Fixed Sound Trackerファンは是非ご一読を!

 

取材・文 / 関口仁士



 

── ミニアルバム「AVENGERS」リリースおめでとうございますー!初インタビューということで、まずはお約束的な自己紹介と、簡単なバンドの歴史的なものをお願いします。

 

ぽ : ヴォーカルのぽくてです。よろしくお願いします!

 

勝 : シャウトヴォーカルとプログラマーの勝信です!

 

ま :  ギターのまっつーです!

 

じゅ :  ドラムのじゅんです。

 

3 :  ベースの3きゅんです!3きゅんて書いてゆっきゅんて読みます。よろしくお 願いします!メンバー全員変な名前ですいません(笑) バンドの歴史はまず、高校生の時にぽくて、勝信と僕がバンドをやりたくて組んだのがきっかけで、 違う高校に通っていた僕の小、中学校からの幼馴染のじゅんにド ラムをお願いして、 Fixed Sound Trackerを結成しました!その頃はまだ勝信はギターを弾いていたりで今の形とは違うんですけど、 後にギターのまっつーが加入して今の体制にいたります!

 

(以下 ぽ : ぽくて、勝 : 勝信、ま : まっつー、じゅ : じゅん、3 : 3きゅん)

 

 

──茨城出身のバンドといえば、真っ先にFC FiVEの名前が頭に浮かぶけど、地元のシーンは実際どんな感じですか?SNORTとかも茨城出身だっけ?東京から比較的近いけど、東京に出てきて活動しているバンドって、若手だとまだあまり数多くはないよね?どういったバックグラウンドがあったり、今のシーンの状況はどんな感じなのかなどを教えてください。

 

ぽ : 確かにFC FiVE、FACT、SNORTを始め、茨城には偉大な大先輩方がたくさんいます!都内でも茨城といえば・・・とたくさんお話をいただき、その偉大さを実感しています。茨城で頑張っているバンドはたくさんいますが、このシーンは解散等が多いのが現状です。でも茨城にもかっこいいバンドはたくさんいます!

 



──Garimpeiro最若手ってことで前から聞いてみたかったんだけど、バンドを始めようと思ったきっかけって、国内のバンド、例えばFear, and Loathing in Las VegasとかCrossfaithから影響を受けてって感じだったのかな?俺の世代(30代)だと、バンドを始めたきっかけは洋楽に影響を受けて・・・って人が周りに多いけど、若いバンドマンやキッズと話していると、邦楽バンドが入り口だったという声がけっこう多くて、ちょっとしたジェネレーションギャップとでも言うか。

 

勝 : まず俺は、元から個人的にDTMで作曲をやっていたんですけど、それを始めたきっかけが、当時ニコニコ動画にアホみたいにハマっていて、その中で見つけたボーカロイドのプロデューサー”ゆよゆっぺ”さんでした。現在My Eggplant Died Yesterdayでボーカルをやられている彼が俺の原点ですね。地元も同じ茨城で親近感もありました!ゆっぺさんのニコ生を見てテクニックを盗ませていただいたり(笑)

 

1人で曲を作っている段階では、いわゆるピコリーモっぽい曲を作ってました。バンドを始めるきっかけというより、こういう同期が入ったメタルコアのスタイルをやろうと思ったきっかけとしてなら正直Yesですね。Fear, and Loathing in Las VegasやCrossfaithは最強に影響受けてます。Falilvの「Stray in Chaos」のMVの衝撃は異常系でしたね。ダンサブルなフレーズとメタルコアテイストのフレーズがこんなにマッチするのかと、、そしてそこで思ったのが、「こ れ が や り た い」ですね(笑)

 

 

やっぱり日本人が作った曲の方が、日本人のツボに合うんだと思います。

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──洋楽って、入り口として入りにくい部分ってあるのかな?邦楽の方が身近で入り込みやすいとか?

 

勝 : そうですね、、メディアで洋楽がプッシュされていても、やっぱり日本人が作った曲の方が、日本人のツボに合うんだと思います。ロキノン系の延長線上でラウドロックに辿り着いたのなら、なおさら日本人らしい作りの曲の方が馴染みやすいと思います。そこで洋楽をdigるよりも、自分のツボにハマるアーティストが多い国内バンドをdigった方が楽しいって結果に辿り着くのではないでしょうか?なにより自分がそうでした(笑)

 

 

──前作「Episode of Rebirth E.P.」からGarimpeiroに入ったわけだけど、前作EPを出す以前と以降とで、バンドを取り巻く環境に変化ってありましたか?

 

ま : 自分ではあまり意識はしていなかったんですけど、周りからよく言われるようになりました。 リリースをしてから、他のバンドさんのツアーファイナルとか企画等の大事なイベントに誘われるようになって、環境が変わってきたなという実感が湧いてきました!

 

 

今回の作品は最先端とオリジナリティを追求しました。

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──その「Episode of Rebirth E.P.」は、ARTEMAのMEG君がプロダクション面を担当してくれて、今回の「AVENGERS」はSAILING BEFORE THE WINDのビトク君がミックスやマスタリングを担当してくれてるよね。仕上がった音を聴くと、正に「ビトク節」が展開されているけど、前回と今回とで違った面・・・、苦労したことや新たな発見だったりだとか・・・前回と比べて今回の音源製作はどうでしたか?

 

勝 : 今回の作品は最先端とオリジナリティを追求しました!そんな中でビトクくんをエンジニアに招いて制作をしました。ご存知の通り、SBTWの音源はかなり最先端で衝撃を受けたので、是非ビトクくんにお願いしようと思いました。

 

前作と違い苦労した点は、セルフレコーディングだったという点ですね。大変でした。ライブでやったことのない曲が多かった今作は、まずフレーズを教えるところからのスタートだったので、レコーディングやスケジュールの面で勉強になったことは多いですね。次に生かしていきます!(笑)

 

 

──FSTってツインヴォーカル体制だけど、音源でもヴォーカリストそれぞれの個性があるし、ライブでの見た目や立ち居地も、まったく個性が違うフロントマンが二人いるってことが、バンドの特徴として押し出されているけど、ツイン体制であることの強みや、逆に難しい点があったら教えてください。また、今回の作品制作時に、「ツインヴォーカル」の面で意識した点があれば何か。

 

ぽ : ありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです!結成してからすぐ2人が立ちVoとして歌う形態でライブをしているので、2人いるのが当たり前ってことになっているのが強みですね!(笑)最初は…まぁ色々ありましたけど…

 

でも悩んだ結果今の感じになって楽しくなってきて、だから単純にツインボーカルとしては自信があります!負けたくないっす!逆に二人じゃなかったら出来ないってところが弱みですね。お互いのパートを分けているため、自分のパートはもちろん全力ですが、それでも1人でシャウトもクリーンも両立してやっているヴォーカリストは純粋に尊敬ですね…見え方としては、常に対照的な立ち位置になるように心がけてます!どっちも同じくらいに押し出していきたいと思っています!楽器隊に支えてもらってる分ツートップでガンガン攻めていくぞ!みたいな感じです(笑)最近よくスタイルが真逆だよねって言われますけど、元々バックボーンとなる音楽以外は面白いくらいに聴く音楽が正反対なので(笑)そこも強みであり、弱みであり。これから先考えてかなきゃいけないなって所です。

 

レコーディングの時も、楽器隊が外タレ直系サウンドであるのに対して、いかにクリーンとシャウトをバランス良く織り交ぜるかにこだわっています。自分は日本風メロなクリーンだし、勝信はハードコアに影響を受けてるスタイルなのでどうしようと。ヴォーカリストとしてお互い譲れない部分は前作より何度も出てきたので、何回も話し合いましたね。今回はそういった意味ではフロントマンとしての大事な芯の部分は鍛えられたと思います。歌詞も2人で何時間も話したり、コンセプトに出来るだけ近づけつつ、お互い自分の言いたいことも言えたのが今回のポイントでもあります!これからもツインボーカルとしてもっと極めていきたいと思います!

 

 

実在するアメコミ原作の映画がコンセプトです。

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──今作は「アメコミ」にインフルーエンスされたコンセプト作ってことだけど、俺自身アメコミとは縁遠い人間なもので・・・実際、アメコミについて詳しく知らないって人もけっこう多いと思うので、今回の作品のコンセプトや各楽曲に込められた意味合いがあれば是非!あとアメコミの魅力をアピールしたかったらどうぞ!

 

勝 : これは中々語れそうですが、長くなりそうなのでコンパクトにまとめます(笑)ご存知の通り実在するアメコミ原作の映画がコンセプトです。

 

For Vendettaは「V for Vendetta」、Silver Surferは「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」、6th Senseは「スパイダーマン」、The Incredibleは「ハルク」、AVENGERSは「AVENGERS」が各曲のテーマになります。

 

英詞は、映画にそった歌詞や劇中のセリフを用いて作ってあります!特に「V for Vendetta」は、アクションシーンは勿論ですが、言葉遊びが匠な作品なので、歌詞もそんな感じの雰囲気を大切にしてあります!原作をチェックしてからこの作品を聴いたり、歌詞を見たりすると、より世界観が伝わると思います!

 

アメコミの入りはヒーロー物の洋画をチェックして見てください、そこから広がるアメコミワールドにロマンを感じると思います!俺は元々ロボット系の漫画・アニメが大好きなので「アイアンマン」が好きなのですが。最近のコミック版のヒーローデザインは男心くすぐられますね。なにより各作品の主役のヒーローが集結し、悪に立ち向かうスペシャルな作品「AVENGERS」シリーズは、沢山のヒーローを知っていると何十倍も楽しめるので、是非アメコミワールドに足を踏み入れてみてはいかがでしょう!

 

 

──アルバムアートワークが凄く綺麗で、多方面から「あのジャケットいいですね!」て言われるんですが・・・「破壊された摩天楼」的なイラストで、当然、作品コンセプトにあったものだけど、アートワークのコンセプトも併せて教えてください!

 

じゅ: 今回のデザインはKAgaMIさんにお願いしたんですが、映画「AVENGERS」の戦いが終わって、世が明けてきたようなイメージを、希望に例えてデザインしてもらいました!KAgaMIさんが普段描いているデザインとは雰囲気が違うと思うのですが、この感じが理想だったので本当にお願いして良かったと思っています!

 

 

シネマ感であったり、雰囲気をとても重視して作りました。

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──新作を聴いてみて驚いたのは、楽曲のスタイルがEP時代までとはだいぶ雰囲気が変わったなーってことなんだけど、変化のきっかけというか、どういった経緯でこういったスタイルになったのか教えてください。

 

3 : 前作と比べて変わったところはまず、今回はコンセプトアルバムということで、シネマ感であったり、雰囲気をとても重視して作りました。また、このジャンルでも想いを届けられたり、感動を与えらたいと思ったのも変化のきっかけだと思います!

 



──ヴォーカルも日本語詞を大幅に増量したスタイルになってるよね?以前某バンドのヴォーカリストが、「日本人は日本語で歌うほうが、リスナーに歌詞がダイレクトに伝わるので、自分たちの曲は日本語メインにする」て言ってたことがあるんだけど、FSTも思惑は同じですか?

 

ぽ : 今回はクリーンパートはほぼ日本詞で行きました。正にそうですね!やはり日本に生まれた以上、そこは文化として大事にして行きたいですし、日本節なメロディーって世界にも通用する、誇っていいものだと僕は思ってます!

 

何より自分の声質、ルーツ、歌い方等、根本的に凄く合ってたので、今回アルバムを作る上で自然に入ってきましたね。そして日本語をふんだんに取り入れて、以前と劇的に変わったと感じたのは、ライブにおいて自分の伝えたい想いを、伝えたい言葉で伝えられるようになって、それを曲へ繋げられるようになったので、フロアの空気感が変わったと思います。頷いてくれたり、応えてくれることが単純に凄く嬉しいです!以前はあまり得意ではなかったMCも好きになりました(笑)歌詞が少しでも聴いてくれている方に伝わっているのなら、僕はそれだけでも嬉しいです!それがきっかけで曲に深く入ってくれたら尚更です!

 

 

──FSTって、EP時代からポップさよりも、ダークめなメロディや、エモーショナルなフレーズを押し出している面が強い気がするけど、パッと聴きでとっつき易いキャッチーさよりも、そういった点を意識していますか?バンドとしての個性という面で、そこは以前から一貫しているなと思っていて。

 

勝 : 特別意識はしてないですね。作りたい曲を作っています!ただサビで広がっていく感じは意識していますし、時に叙情的な展開も大切にしています。

 

 

──前作がイントロ、アウトロ混みの全5曲のEPで、今回が7曲入りのミニアルバムということで、今回の作品がバンドとしての真価を問われる作品だと思うけど、聴き所やアピールしたい点を推してください!

 

3 : 今回の作品は2作目ということで、とても作曲に力を入れました。アメコミからイメージを膨らませ、1枚のCDにうまくまとめられたと思います!自分たちのやりたいことがまとまってきたので、7曲と前回よりも曲数を増やして今の自分たちを表現しました。

 

ぽ : 聴きどころとしてヴォーカルは先程言ったように、いろんな人が歌えるようなメロディーを作ることを心がけました! カラオケや鼻歌などでつい歌ってしまうようなクセになるメロディーが出来たと思います!

 

勝 : シャウトも出し方変えたので是非聞いてください!

 

じゅ : ストリングスが増えたり、同期もだいぶ変わったよね!

 

ま: 確かに。外タレサウンドにより強く影響を受けたサウンドにも注目してください!

 

3 : 効果音がたくさん入ってるので、そこにも注目して欲しいです!本当に映画のワンシーンみたいだと思います!1曲で1枚以上ガラスが割れてます(笑)

 

 

──バンドとして初のPVが最近公開されたけど、CDの最後に収録されている「AVENGERS」をセレクトしたのは、タイトルトラックだったからですか?でかい倉庫や屋外での撮影など、かなり凝った仕上がりになっているけど、PV撮影秘話的なものがあれば!

 

ぽ : PVということでたくさんの人たちに聞いてもらえるので、メッセージ性の強いこの曲を選びました。 前回のEPを出してから、各地でライブをさせてもらったりして、その時の出会いや人の繋がりって本当に大事だなと思いました。 一瞬の出会いや繋がりを大事にしていこうという想いを込めた曲なので、その想いをたくさんの人に届けられればと思っています。

 

3 : 倉庫シーンの撮影は、実は地元の茨城で行いました。そこの方がとてもとてもいい人で、凄くよくしてくださいました!本当に地元はあったかいです。 夜景シーンは新宿ですが、これも人の繋がりがあったからこそできた撮影だと思います。 あと今回は、PV撮影がお互いの夢でもあった友人がカメラマンで参加してくれたので思い入れも深いです。 このPVが公開できたのは、いつも応援してくれるたくさんの方のおかげだと思いとても感謝しています。

 

 

──3/8に開催された地元でのレコ発では、去年Warnerからメジャーデビューを果たしたレーベル先輩格のARTEMAと共演したり、これからリリースに伴うライブが各地で増えていくと思いますが、最後にこれからの抱負、目標、目指していること等で〆ちゃってください!

 

3 : 今回のリリースを機に、地方等たくさん回らせていただきますが、是非CDを聴いてライブに遊びにきて欲しいです!今年は夏フェスや大きいイベントにも出られるようになりたいと思います! あと憧れのSCREAM OUT FESに出られるようなバンドに成長したいです!

 

 

──今日は長々とありがとうございました!

AVENGERS

GR-31 / February 19th 2014 / ¥1,620

1. A

2. For Vendetta

3. Silver Surfer

4. 6th Sense

5. The Incredible

6. Eyes of Providence

7. AVENGERS

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