SOUL JAPAN「CLEAVE EP」リリースインタビュー
NOCTURNAL BLOODLUSTっていうバンドに、楽君ていうとんでもないドラマーがいるって話を耳にしていたのは、、、かれこれ何年前だったかな・・・?ライブを観てみたいと思いつつ、なかなか機会がなくて、やっとこさ彼のパフォーマンスを観ることが出来たのは、彼がNOCTURNAL BLOODLUSTを辞めることが決まった後のFEAR FROM THE HATE企画@渋谷だったような。とにかくすげえドラマーだなー。しかもまだ10代?ちょっと尋常じゃない、末恐ろしいなこの子って思ったのが田浦楽というドラマーの第一印象。
それ以降、暫く繋がりがなかったけど、次第に話すようになったのは、彼がA Ghost of Flareのドラムをサポートし始めてから。ライブ会場で会う度に、コーラ片手にニコニコしながら色々と話してくれるようになって。そういえばHONE YOUR SENSEを紹介してくれたのも彼だったなぁ。
そんな彼から、自分のバンドのCDをリリースしたいと相談を受けたのは去年の晩夏~秋ごろ。渋谷Cycloneの階段で「今回は俺ギター弾いているんです!とりあえずオケは完成しているので聴いてみてください!」と目を輝かせながら聴かせてくれて、その流れのまま「リリースはいつにしますか?」と押し切られ、気づいたらリリースすることが決まっていたSOUL JAPAN(笑)リリースにまつわる打ち合わせがほぼ皆無のまま出すことが決まったのは、後にも先にもSOUL JAPANだけです。
SOUL JAPANはそんな彼のソロプロジェクトで、田浦楽が持っているアイデアを具現化したのがこのバンドなんです。多くの人は田浦楽 = ドラマーというイメージを持っているであろう中、ギターを弾き、作詞・作曲も全て担当し、バンドの戦略なども全てコントロールしているワンマンバンド。Crystal Lake、A Ghost of Flare、HONE YOUR SENSE、キバオブアキバでのライブサポートやドラムの仕事をこなしつつ、超多忙な中活動を続けているバンドですけど、既に新曲もいくつか出来上がりつつ。。。といったところで、ますます今後の活動から目を離せないところです。
今回は本邦初公開となるSOUL JAPAN = 田浦楽のインタビューになります。ドラマーとしてではなく、ギタリスト、バンドリーダー視点から色々と答えてくれました。
取材・文 / 関口仁士
──リリースから若干時間経ってしまったけど、まずは「CLEAVE EP」リリースおめでとう!超絶多忙なスケジュールを縫ってのレコーディング~SOUL JAPAN結成発表~Lyric Video公開~デビューライブ開催~CDリリースと、かなりバタバタと駆け足感あったけど、まずはお疲れ様でした(笑)とりあえずリリースに漕ぎ付けた感想的なものをお願いします!
・ありがとうございます。いや、ほんと嬉しいです。また夢が1つ叶いました。最高の作品、そして最高のレーベル、チームと製作が出来て、本当に楽しかったです。
でもまぁ、、時期も時期だったのかな、、SOUL JAPANの製作の為に、元々はスケジュールをポッカリ空けていたのですが、ギリギリになってレコーディングの仕事やバックサポートの現場が一気に入っちゃって。凄いありがたい事なんですけどね(笑) 去年の11月は一生忘れないですね、休みゼロでした。勿論楽しかったけど(笑)
さらにギター、作詞は初の試みでしたので、色々な方面の方から貴重なアドバイスを頂きました。改めて回りの人たちに恵まれているなぁと実感しております。
NOCTURNAL BLOODLUSTに在籍していた頃から曲を作ってました。
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──去年の秋辺りに楽君から「実は今度自分のバンドを始めるんです!」て言われたのがきっかけで、あれよあれよという間にとんとん拍子で話が進んで、うちからCDを出す流れになったけど、SOUL JAPANのコンセプト、アイデアってのは実際いつ頃生まれたの?
・ギターは中学生位からやってまして、、もう6年位前、NOCTURNAL BLOODLUSTに在籍していた頃から曲を作ってました。
まぁその頃は知識も経験も無かったので、ダサい曲しか作れなかったのですが(笑)なので、もうその頃にはギターのプロジェクトをやることは頭の中では考えてました。本当は僕がノクブラを辞めたタイミングでやろうか考えていたのですが、メンバーも見つからないし、辞めた1週間後ぐらいにLOYAL TO THE GRAVEからサポートの依頼を頂いたり、当時高校生だったのもあって、学校との両立が出来なくて断念。。。
やろうやろうと思ってたプロジェクトも、中々出来ない状態だったのですが、曲作りに関しては空いた時間に出来るし、とりあえずリフだけは作っとくか、てな感じで。本当はかなり前からギターも作曲もしてました。
6年もかかっちゃいましたね(笑)
──バンド名やネット上を中心に話題騒然となったアー写等、デビュー前からかなり話題性が強いプロジェクトだったけど、知名度を出すためってことで、狙った部分ってのはやっぱりあった?
・あれは完全に狙ってるでしょ!!
変態ですよね、アレ(中町優作)
りょうくんとか目、全く見えてないし(笑)
CDの発売ツイートよりもアー写の方が話題になっちゃって、それはそれでいいのか?とはちょっと思いましたけど!(笑)
アー写を見ていただいた通り、メンバー全員が個性的だし、キャラも濃いのでこのような結果になりました(笑)バンド名に関しては、分かりやすい。馴染みやすい。がコンセプトで、中町さんがいるし、割りとすんなりとSOUL JAPANで決まりました。
こんな分かりやすいバンド名、なかなか無いでしょう!(笑)
──多くの人にとっての「田浦楽」像って、NOCTURNAL BLOODLUST時代から一貫して「ドラマー」ってのが一般的だと思います。今はCrystal Lake、A Ghost of Flare、HONE YOUR SENSE、キバオブアキバなどのサポートドラマーとしての田浦楽ってイメージが強いと思うけど、何故に、あえてギタリストなのか?コンポーザーなのか?といった点について疑問に思っている人が多いと思うので、「SOUL JAPANの田浦楽」としての思いを、熱く語っていただければ・・・。
・ギターに関しては、単純に昔からギターヒーローに憧れてたのが大きいですね。Michael Amott、Jeff Loomis、Yngwie Malmsteen、Kiko Loureiro、Joe Satriani、Steve Vai、John Petrucci、と上げたらキリがないですが、未だにヤングギター毎月買ってるぐらいですから(笑)
作曲に関しては、、、単純に自分自身が音楽オタクなのが一番デカイですね。プレイヤーで作曲もしている方って大体皆さん、音楽オタクで(笑)基本、嫌いなミュージックが無くて、色々なジャンルを聴くので、カッコいい曲をどんどん聴いて、コピーして、、とやっていくうちに、自分も作りたくなっちゃった。と言うのが本音ですかね。
──SOUL JAPANの作詞、作曲は、全て楽君が手がけているわけだけど、普段「サポートドラマー」として活動をしている楽君は・・・例えばAGOFやCLのメンバーから、曲の感想や意見を求められることはあると思うけど、ガッツリ踏み込んだ上で曲作りに関わることはあまり無いと思います。曲作りって、知恵も体力も相当消耗する作業だと思うけど、全てを自分で作り上げるという体験はどうだった?しかもこの多忙なスケジュールの中?(笑)
・いやぁ、予想以上に大変でした。
今までは最終的な判断は他人に任せていたのですが、今回初めて自分が製作の殆どを占めたので。。そりゃ大変ですよね(笑)あとは作詞がもぉー本当に大変でしたほんと(笑) ノイローゼになりかけるくらい(笑)
よーく聴くと意外とSJはメタル寄りな気がします(笑)
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──「CLEAVE EP」収録曲ってハードコアだけど、そこまでへヴィでなく、かといってキャッチー過ぎず、適度に叙情的なメロも飲み込んだスタイルで、GIDEON、BURY YOUR DEAD、THE GHOST INSIDE、Crystal Lake辺りのブレンドって感じだけど、楽君の音楽的ルーツやバックボーンて、意外と知らない人が多いと思うので、そのあたりのことについて教えてください。
・知らない方も多いかと思いますが、僕の音楽のルーツは完全にメタルミュージックです。特にスラッシュ、メロデス!
幼少期は、KISSやDeep purple、Led Zeppelinが大好きな少年だったのですが、小学生になってからは、ユーロビートやトランス、テクノミュージックにはまり、高学年になると、師匠、村上ポンタ秀一先生の影響でジャズ、フュージョンにどっぷり浸かるのですが、中学時代に出会った、At The Gates、The Haunted、Dark Tranquillity、ARCH ENEMY、IN FLAMES、Soilwork等、メロディックデスメタルが大好きで大好きで(笑)でもまあ、なんだかんだSLAYERが一番好きですが(笑)その頃が一番CD買ってたんじゃないですかね?未だに中学生の時に聴いた音楽が一番頭に残ってます。
今はハードコア、メタルコア中心のサポートが多いので、SOUL JAPANでもその影響は大きいですが、、、よーく聴くと意外とSJはメタル寄りな気がします(笑)刻みとか完全にスラッシュリフだし(笑)
やっぱり音楽のルーツって曲に出ちゃう物ですね。
──上の質問でも触れたけど、へヴィ過ぎず、かといってキャッチー過ぎない、絶妙なバランスの音源に仕上がったと思うけど、作品全体を通しての拘りだとか、この作品を通じて訴えたかったことなどがあれば、是非お願いします!
・さっきも触れましたけどギターの刻みリフですかね。最近のバンドさんて、良い意味であんまり刻まないバンドさんが多い気がしてて。逆にリスナーさんを良い意味で裏切るというか、、こうきたか!!! と思わせるリフを、フックで沢山入れてます。
あとはボーカルに関しても言えるのですが、、この作品、意図的に全曲、繰り返しをもの凄く多くしてます。This Is My Lifeとか、リフ4つ位しか無いんですよ(笑) ボーカルもほぼ同じ歌詞だし(笑)
それによって楽曲がキャッチーに聴こえるかもしれませんね(笑)
──ギタリスト田浦楽としてのレコーディングはどうだった?これまでドラマーとしてのレコーディングは何回も経験していると思うけど、ギタリストとして、作曲者として、バンドのリーダーとしてのレコーディングは初めてだったと思います。戸惑ったことや苦労したことや面白かったエピソードなどあれば是非!
・もー!大変でした(笑)練習しましたほんと。
でもまぁ制作自体がすんなりいけたのは、プロデューサーのBitoku君に助けられた所が大きかったかな。彼とは元々バンドで繋がりがあったし、プレイヤーとしても凄いリスペクトしてたので安心して頼めました。
実際に本当に良い仕事をしてくれたし、制作に関してはメンバーよりも、彼と一緒にいた時間の方が長かったと思います(笑) アレンジも一緒に考えたり、ヤバすぎるアイディアを出しあったり、本当に制作が楽しかったです。
──ex.DELIVERANCE~現DEAR ELEGANCEのさとけんがヴォーカル、ex.INFECTION~現Crystal LakeのRyo君がベース、そしてCasually frozen Crown's cheekやALIEN WORKSHOPのサポートでドラムを叩いているゆうさく君ていう、ある意味無茶苦茶濃いメンツがメンバーなわけだけど、このメンバーが揃った経緯をザックリと教えてください。そう簡単に集まるメンバーではないって感じだけど・・・
・いや、それがなんだかんだ、みんな元から繋がりがあって、かなり長い付き合いで、、
りょうくんとかINFECTION加入ライブの時に自分が前やってたNOCTURNAL BLOODLUSTで一緒でやってまして、、付き合いは5年以上ですし。ドラムの中町くんは、高校の頃の同級生で、当時お互い大好きだったMETAL SAFARIのカバーをやっていました。ボーカルのさとけんは、地元の中学校時代の後輩でして、、、、嬉しい事ですよね。誘ったらみんなすぐにOKしてくれました。
りょうくんに関しては、普段Crystal Lakeのボーカリストなだけあって、楽器はやらないイメージがあるかもしれないですが、実際ギターもベースもかなりの腕前です。何でもさらっとやっちゃう所が素敵!(笑)
世のギタリスト達は毎回こんなに気持ちいいライブをしてるのかと思うと、本当にうらやましく思います(笑)
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──1月のGAKU FEST EXTRAがバンドとしてのお披露目ライブ。ゴールデンウィークには大阪での初ライブを終えての感想は教えてください!
ギターを弾いている楽君を観ることはそうそう無いので凄く新鮮だったのと、普段ドラムを叩いている時と違った楽しみ方をしているなーって思ったんだけど・・・若干散らばってた部分もあったけど(笑)とにかく楽しいライブだったなってのが個人的な感想で。ご本人の感想をお願いしたいです!
・楽しすぎましたね(笑)世のギタリスト達は毎回こんなに気持ちいいライブをしてるのかと思うと、本当にうらやましく思います(笑)それだけ楽しかったです。。(笑)
ライブ自体はトラブル起きたりバタバタでしたが、自分の新たな発見が色々とありましたし、ドラムの考え方も、捉え方もガラッと変わりました。ライブ中に、このプロジェクトはやって間違ってなかったなあと感じましたね。
──メンバーそれぞれが多忙過ぎて、なかなかライブを組むことが出来ないのがSOUL JAPANの泣き所なわけだけど、ライブを観たい!ていう人がたくさんいると思うんですよ。今後のライブ活動に関してはいかがでしょう?
・そうですよね。。。。ほんとそれです。。本当にスタジオ入れなくて困ってます。。(笑)
ライブに関してはやれる範囲でなるべくやれるように検討中です。でも最近気づいた事があって、元々、僕がドラムでライブが入っているイベントに、誘って貰えれば出られることが判明しましたので意外とライブ出来るかも!(笑)
今決まっている、5月31日のキバオブアキバ企画@京都growlyと、6月8日のAGOF企画@渋谷Aubeはそういう形で何とかブッキングできましたので是非遊びに来てください!
──「自分のバンド」ということで、SOUL JAPANに対する思い入れは相当大きいと思うけど、このバンドとしての抱負や、やってみたいこと、目指してみたいこと等あれば、最後にガッツリとお願いします!
・このインタビューを読んでくれた皆さんありがとうございました。
次の作品の制作にそろそろ取り組めそうで、もう5曲ほど出来ているのですが、前作越えの凄い作品ができそうです。これからもSOUL JAPANは緩くプロジェクトとして活動していきますので、ギタリスト田浦楽としての音源、歌詞を楽しんでくれたら最高です。そしてライブの本数は限られてしまいますが、ライブはやりますので、曲を聴いて、みんなで一緒にシンガロングしましょう! ライブハウスで待ってます!
──今日は長々とありがとうございました!